歩行器を選ぶときのチェックポイント

歩行器を使って安全に歩行するためには、利用者の体力や身体機能に適したものを選ぶことが大切です。歩行器を選ぶときのチェックポイントをご紹介します。

●使用する場所
歩行器は使用する場所や目的に合わせて選びましょう。例えば、屋内で使用する場合は、家の状況にもよりますが、一般的に屋外に比べると段差が少ないといえます。リハビリ施設などで使われているような安定性の高い歩行器を選ぶと良いでしょう。なかには、食事や飲み物を運ぶために使える、トレイ付きのタイプもあります。ご自宅での用途に合わせてお選びください。

屋外で使うなら、坂道や段差など、路面の状況に対応する必要があるため、手動ブレーキ付きのものや、座面がある車輪付き歩行車が向いているでしょう。本体の上に大きなバッグや買い物かごを載せられるタイプの歩行器は、お出かけやお買い物にも便利です。

●安定性
「安定性」は、歩行器を選ぶ上で最も重視したいポイントです。選ぶときは、利用者が歩行器に両手や肘をつき体をしっかり支えてバランスが取れるものを選ぶようにしましょう。体格に合った歩行器を選ぶことで、より安全でスムーズに歩行できるようになります。

さらには、坂道などでスピードが出過ぎた場合、速度を調整して転倒リスクを軽減できる歩行器もあります。速度を調整するブレーキには手動と自動の種類があるため、機能を確認したうえで利用しましょう。

●利用者の体力や身体状況
背の高さや腰の曲がり具合、歩行レベルによっても選ぶ歩行器は異なります。「正しい歩行姿勢を維持できるか」「体を安心して預けられるか」といった点もチェックしておく必要があります。

●腕を伸ばした状態で体を支えられるかどうか
歩行器は上半身を支えながら歩行を補助するものなので、腕を目いっぱい伸ばした状態で体を支えられるかどうかは重要なポイントです。前傾姿勢になり過ぎるものや、体重を預けたときに不安を感じるものは、体に負荷がかかって転倒しやすくなります。歩行器を使用しながら正しい姿勢を維持できるかどうかもチェックが必要です。

●サイズ調節機能の有無
高齢者の身体状況は日々変化します。そのため、サイズ調節機能が付いているものを選び、利用者の身長や体格などに合わせて歩行器の高さや幅を変更できると便利でしょう。歩行器の高さは、普通に立っている状態で肘がやや曲がり、少し前傾姿勢になるくらいが最適といわれています。幅を伸縮できる歩行器は、体型に応じて調整できるのはもちろん、ご自宅の廊下の広さに合わせて通りやすい幅に調整できる点でも便利です。